トラック荷台からの転落・墜落事故をなくすために。
今回は最近少し耳にする機会が多くなった、トラックのお話しです!
実は令和5年10月1日より、トラックの荷役に関する規則が改正されるのってご存じでしょうか?
なぜ変わる?どんな準備が必要?など、さまざまなご質問をいただくので、ここはどうしても伝えなくては!という強い責務を感じて筆を走らせています。というわけで、今回もよろしくおねがいします!
なぜ変わる?「労働安全衛生規則改正」の背景
厚生労働省の調べでは、陸上貨物運送事業における労働災害は、死亡災害、死傷災害とも長期的には減少傾向にあります。
しかしその一方で、荷台昇降時の転落・墜落の事故数が多く発生している背景を鑑み、事故を減らすため今回の規則改正が決定しました。令和5年10月1日よりスタートするその内容は、最大積載量が2t以上の貨物自動車(トラック)を対象に、昇降設備の設置と安全帽子(ヘルメット帽)の装着が義務付けられるとのことです。
今までは5t以上の貨物自動車が対象でしたが荷台に関する事故の報告件数が後を立たず、今回の対象拡大が実施されました。

実際どんな事故が多いの?

ここからは、どのような事故の事例があるか振り返ってみます。
・荷台から飛び降り・転落事故
よくあるのが荷台から飛び降りた時、意外と高さがあって思った通りに着地できずに足を捻ったりしてしまうケースや、ひどい場合はそのまま地面に倒れて頭を打ったり、骨を折ってしまったりします。
想像するだけでも痛いですね。

・あおりや荷物に立ってのシート掛け外し中の墜落事故
積載物に保護用のシートをかける時、または取り外す時にちゃんと足場を確保せずに、あおりや、荷物に乗って作業をしてシートを引いた時に力が加わり、滑って転落してしまうケースもあります。

・荷の積み卸し作業時のフォークリフトによる墜落事故
荷の積み卸しの際、フォークリフトに積まれた積載物に気を取られてあおりが開いた荷台から墜落してしまうケースや、フォークリフト操縦者が荷台にいた人に気づかず押し倒して墜落させてしまうケースもあります。

・荷締め作業時の手が滑った反動による墜落事故
積載物を荷締め器具で締める際、過度な締め付けによる器具の損傷や手が滑ったりした勢いで背面方向に力が加わり勢い良く墜落し死亡されたというケースが報告されています。

以上は荷役作業での事故のホンの一例で、調べてみると沢山発生していることが分かりました。想像しただけでも痛くなってきそうな事故が多いですね。しかしここでよく分かるのが、作業をするのに適してない足場での無理な作業が事故に繋がっているということです。
事故を防ぐためにどのような対策が必要?
上記のような事故を防ぐためにも、10月1日の改正に対してどのような対策が必要か解説いたします。
2tトラックと言えども、荷台は高く、ワンステップでは上がることはできません。また荷台から飛び降りると足腰を怪我する危険があります。
荷台への昇降しやすいステップ類の装備は対策の一つとして挙げられます。と同時に、グリップ装備を合わせて使うことで、ステップから足の踏み外しでの転落事故を防ぐことができます。
トラックの形状に合わせた各種装備が各社から提供されていますので、ぜひご検討のほどよろしくおねがいいたします。
※ハセガワでは、トラックの高さにフック部を合わせて伸縮できるはしご「MTS マルチステッパー」に専用手摺を取り付けることで、安全な昇降ができる製品もご用意しています。
MTS マルチステッパーについて → https://www.hasegawa-kogyo.co.jp/product/product.php?id=915
MTS専用手摺について → https://www.hasegawa-kogyo.co.jp/product/product.php?id=918

また、トラックで荷物の積み下ろしをする際は安全帽子(ヘルメット)を着用することも10月1日からの改正にて義務化していますので、こちらもご準備ください。
長谷川工業のラインナップのご紹介
そこで、足場を支えてきたハセガワが10月1日の規則改正に備え、どんな足場を備えたら良いかご紹介いたします。
ハセガワは、車そのものに装着する装置ではなく、仮設昇降設備、いわば取り外しが可能で持ち運べるステップを各種提供しております。
最初のおすすめ製品はこちらの「LM トラック用昇降はしご」
こちらはトラックのあおりに引っ掛けるタイプのはしごでして、脚部が最大40cm伸縮できます。
それと、一番のおすすめポイントが最上段のステップから支柱が長く突き出ているので、昇降する時に手すりとして使えて、昇り降りがとても安全に行えます。
収納もコンパクトで幅を取らないですが、こちらの製品は昇降専用のためステップの上では作業が行えません。
トラック荷台への昇降が
より安全に


LM トラック昇降用 脚部伸縮はしごについて → https://www.hasegawa-kogyo.co.jp/product/product.php?id=1272
先ほどの例のように十分な足場を確保できていないから事故が起きているとあったように安全に作業をするにはしっかりとした足場を確保する必要があるということです。
なので、昇降はもちろん作業も行えて、かつ手すりが付いているものが備わっていれば安心です。
そこで、お勧めする製品が「DB 組立式作業台」
階段のようにして荷台に昇り降りができ、天板が広いため作業を行えます。
オプションで手すりを購入していただければ昇降時のサポートをし、より安全に荷役作業が行えます。
先ほどのLMよりは正直、値は張りますが、事故を減らし安全に作業を行なっていただきたいため、ぜひご検討ください。
昇降+作業可能な組み立て
作業台ライトステップ

DB ライトステップについて → https://www.hasegawa-kogyo.co.jp/product/product.php?id=1040
DBのカスタムオーダーについて → https://www.hasegawa-kogyo.co.jp/ordermade/custom/DB.html
それ以外の製品も取り扱っております。詳しくは こちらをご確認ください。(チラシデータが開きます。)
普段、街中でも走っている2t以上のトラックに関する規則改正の内容をお伝えさせていただきました。
今回の記事を制作するにあたり、厚労省、労働基準監督署から発行されている安全マニュアルなどを参照しました。
荷役作業中に起こってしまった痛ましい事故の報告も多く、日常的に従事する作業だからこそ、安全安心な労働環境の整備が重要だと感じております。
ご認知、ご理解の一助となればと思っております。